つまり、世間で一般的に使われている「リウマチ」のイメージと、関節リウマチという病気は、やや異なるということです。医学的には、関節リウマチも含め、関節に痛みが生じるさまざまな病気を一括して「リウマチ性疾患」と呼ぶことがあります。ただし、検査で原因を詳しく調べていくと、それぞれ別の病名診断されます。
リウマチ性疾患の中でも関節リウマチは、自己免疫疾患を代表する病気の一つです。自己免疫疾患とは、本来ならからだの外から体内に侵入し悪さを働く細菌やウイルスを排除するための免疫システムが、自分の正常な組織に対して働いてしまう病気です。それにより、関節リウマチでは主に、関節の滑膜という部分に炎症が起きます。
多くの場合、起床後の手のこわばりが最初に気付く症状です。そして左右の同じ関節が腫れたり痛んだりするようになり、徐々にその箇所が増えていきます。このような症状は、指や手首などの小さな関節に始まり、次第にひじやひざ、股関節などの大きな関節に広がるという傾向があります。
病気の経過は患者さんによって異なります。いったん症状が現れてもしばらくして軽快し、そのまま治る(治癒する)患者さんもいます。しかし実際には、軽快と悪化を繰り返し病気が長引くことが少なくありません。
病気が進むと関節が変形し可動域(動かせる範囲)が狭くなることがあります。また、関節の症状以外に貧血や全身のだるさも比較的よく現れます。頻度は低いものの、血管に炎症が起きて内臓や神経の働きが障害される場合もあります。
このように解説すると、関節リウマチとは世間一般で言われているような「関節の痛み=リウマチ」と違って、活動の自由をじわじわと奪っていく手強い難病だと思われることでしょう。確かに少し前までは、病気の勢いが強くて止まらないために、身体の障害に至るケースが少なくありませんでした。しかし幸いなことに近年、非常に有効性の高い薬剤が登場し、多くのケースで病気の勢いを抑えられるようになっています。


関節リウマチが全身の関節の滑膜に炎症が起きる病気であることは「どんな病気?」のところでお話ししたとおりです。滑膜の炎症に始まり、それが痛みとなって現れ、同時に関節の破壊や変形が進行するというのがこの病気の流れです。この過程で見逃してならないことは、関節の痛みがないとき(または軽いとき)も、炎症が持続し関節破壊が進んでいるという点です。
以前の関節リウマチの治療は“痛み止め”による対症療法が中心でした。痛みの強さで病状を判断し、症状をコントロールしていたのです。もちろん今でもこの治療法は欠くことのできない治療法です。病状が軽い患者さんなら、この治療だけでも十分なこともあります。
しかし近年は、薬で自己免疫反応をコントロールし炎症を抑えるという、より原因療法に近い治療ができるようになってきました。痛みの有無にかかわらず、過剰な免疫反応を抑えていれば、関節破壊の進行を抑制でき、身体の障害に至るのを防げますし、全身の合併症の予防にもつながるわけです。ですから、発病後の早期に診断し、早期に治療をスタートすることが、以前に増して重要になってきているのです。
薬剤による治療以外に、運動・リハビリテーションも大切です。関節が固まり可動域がより狭くなってしまうのを防ぐためです。筋肉が付いて関節の負担を減らす効果もあります。ただし症状が悪化している時期に無理に運動すると、逆に炎症を強めてしまいますので、そういうときには安静が大事です。医師に相談しながら、そのときどきの病状にあった適切な運動・リハビリテーションを続けていくように致しましょう。
炎症が起きている滑膜を除去したり、破壊が進んだ関節を人工関節に置き換える手術を行うこともあります。ただ、リウマチは全身性で進行性の病気なので、手術後も治療の継続が大切です。
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