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第19回のテーマは
 
応募総数
 

 祭り囃子

芝 次郎さん(埼玉県)

若かりし頃のある日、絵画サークルの少々“気位のお高い”先輩から「(絵以外の)趣味は」と聞かれてちょっと困惑した。冗談めかして「テレビ鑑賞」とお答えしたら、途端に露骨に軽蔑した眼差しを頂戴し“たじろいだ”思い出がある。余暇に好んでしていることは当時でもいろいろあったが、趣味として挙げる以上、ある程度の成果や制作品を人にお話しできる程のものでないと“沽券に関わる”との想いで、まともにお答えしなかっただけのこと。

「テレビ鑑賞がダメで、音楽や映画鑑賞などなら何故良いのか。」とか、考え込んだものだ。辞書には、「趣味とは、自由時間(人間が生理的必要な時間と労働時間を除いた時間)に、好んで習慣的に繰り返し行う事柄やその対象のこと。仕事・職業としてではなく、個人が楽しみとして行っている事柄」とある。

そういう意味で言えば、いろいろあるし、いろいろして来た。かっては、切手やフクロウグッズやミニボトルの蒐集に凝った。ギター・ウクレレや管楽器などの楽器の演奏や絵画にも挑戦した。ドライブや旅行は、今でも大好き。それらの成果と言うと、ドライブや旅行を別として、恥ずかしながら皆、中途半端で“モノ”になったものはない。技量がハッキリするもので言えば、例えば、ウクレレなんぞ“お玉じゃくしは、蛙の子”程度で、終わってしまった。かくして“人さま”にウンチクをお話し出来るほどのものはない。結局は“テレビ鑑賞”になってしまうのだ。

仕事から解放されて“自由にできる時間”が増えてくると、“趣味”もその意味合いや様相が変わってくる。肉体的あるいは金銭的な制約が増してくる中で持続ができ、“生甲斐”となるようなものが望まれる。

そんなことを考えながら、とりあえずは足腰の丈夫なうちにアチコチに旅行でもと思っており、その足腰を鍛えるための“散歩”に精を出している。この散歩は、だんだん“趣味化”してきている。

そんな中、家族とごく一部の人にしか言っていない内緒の話。実は、この歳になって、恥ずかしながら、お祭りが大好き。幼少の頃より、特に、お祭りのお囃子が好きで、それを聴くと血が騒ぐ。暇ができたら、聴く側ではなく演ずる側になりたいものと、かねてから胸に秘めてきた。

そんな矢先、市や保存会による地域のお囃子の体験講座があったので、早速、応募。講座メイトは、子どもから中高年までの男女合わせて30人程度。4月から7月の間の土曜日の夜の7時から9時にかけて、10回の講座が開かれた。“笛”部門を、いわゆる篠笛の吹き手を選択した。まじめに取り組んできているが、講師の先生の熱意や期待にも拘らず、わが笛は一向に正確な音を出そうとしない。幸い、時間はあるので、これだけは絶対にものにしたいと思っている。

当面の目標は、10月の市内の鎮守様のお祭り。太鼓と合わせて吹けるようにしたいもの。そして、夢は大きく、郷里の無形文化財のお囃子を吹けるようにして、幼き頃に憧れた山車(祢里)に乗って、田舎の道を練り歩くこと。ところで、この話はある程度の技量になるまでは、くれぐれもヒミツ!


(2009/08/25)

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