毎年、熱中症による不幸な事故は後を絶ちません。特に体温調節機能の衰えている高齢者や、体温調節機能が未発達な乳幼児とって熱中症は命に関わることも多く、注意しなくてはなりません。
健康な人の体温は、1日を通して1℃程度しか変化しません。体温調節をつかさどる自律神経は、暑いときは血液の流れをよくして、皮膚近くの血管をから血液中の熱を外に逃がします。と同時に汗をかき、その汗が蒸発するときの“気化熱”を利用して体温を下げます。しかし、熱を上手く外に逃がせなかったり、からだの中の水分と塩分が不足したりすると、体温の異常上昇や筋肉のひきつけ、失神など、熱中症の症状があらわれます。
熱中症は、症状によって3つの段階に分けられています。
【重症度 Ⅰ度】
めまい、立ちくらみ、筋肉のこむら返りなどが起こります。また、大量の汗も出ます。熱中症の初期段階で、必要なのはすみやかな水分・塩分補給です。そこでこのような症状を感じたら、日陰など涼しい場所に移動して、よく冷えたスポーツドリンクなどを摂りましょう。ただし、スポーツドリンクは塩分やミネラルだけでなく糖分も多く含まれているので、血糖値が気になる方は0.1〜0.2%程度の食塩水がおすすめです。
【重症度 Ⅱ度】
頭痛、吐き気、倦怠感が起こります。重症度 Ⅰと同様に、スポーツドリンクなどで水分・塩分補給するとともに、心臓より足を高くして横になりましょう。吐き気などが強く、自分で水分・塩分補給ができないようなら、すぐ病院へ行きましょう。
【重症度 Ⅲ度】
周りの呼びかけへの反応がおかしい、真っ直ぐに歩けなくなるといった症状もあらわれ、ひとりで対応するのは難しくなります。意識を失い、全身のけいれんをおこすこともあり、すぐに救急隊に連絡する必要があります。周りの人は、救急隊が到着するまで、患者をできるだけ涼しいところへ移し、首、脇の下、脚の付け根など大きな血管がある部分を、水や氷で冷やしましょう。
熱中症なってしまったら、すぐに上記のような対応が必要ですが、ならないためには日常生活でいくつか注意すべきことがあります。
まず、暑さを避ける工夫をしましょう。屋外での仕事や外出するときは、帽子、日傘の利用、日陰を選んで歩くなど、できるだけ日光に直接当たらないようにしましょう。また、こまめな水分補給も大切です。のどの渇きを感じた時点では、すでにかなりの水分を消耗している状態です。屋外でスポーツをする場合は、真昼は避けて朝や夕方など比較的気温の低い時間帯に行いましょう。
一方室内では、すだれ、カーテンなどで直射日光を防ぎ、暑さを感じるようなら25℃〜28℃の設定温度で冷房を使いましょう。女性や高齢者には、冷房が苦手という人も多いと思います。ですが、夏場の日中、特に風のない日などは、「夏の風物詩?冷房病対策」を参考に、上手に冷房を利用しましょう。
もし熱中症になっても、重症度 Ⅰの段階できちんと対処すれば、命に関わることはありません。日頃から注意するとともに自分のからだを過信せず、「もしかしたら…」と少しでも感じたらすぐに対処しましょう。















