男性にも女性にも、男性ホルモン(テストステロンなど)と女性ホルモン(エストロゲンなど)の両方が分泌されていますが、男性は男性ホルモンが、女性は女性ホルモンが圧倒的に多く分泌されています。その差異が男女のからだの違いを生み、かかりやすい病気に差が生じる理由の一つでもあります。
しかし、年とともに性ホルモンの分泌量が減ってきて、両者の差は少なくなります。ということは、高齢になるほど、かかりやすい病気の性差も少なくなるのでしょうか?
このコーナーで以前、男女間の患者数(厚生労働省「患者調査」に示されている総患者数)の差が大きい病気を紹介したことがあります。そのときは、男性に多くて女性には少ない病気トップ10と、女性に多くて男性に少ない病気トップ10を示しました。今回は、そのときに挙げた合計20の病気を、65歳で区切って、患者数の性差が65歳以前と以降で拡大するのか縮小するのかをみてみました。結果はご覧のとおりです。
65歳以前にみられた患者数の性差が65歳以降になると縮小する傾向が見てとれます。高齢になるにつれて、男性も女性も病気にかかりやすくなり患者数が増えます。そのため、性差の影響が相対的に少なくなることがうかがえます。
しかし表をよく見ると、患者数の変化それ自体にも、性差があることがわかります。例えば、65歳前から男性に多かった病気の中には65歳以降に性差が拡大したものが四つあります。一方、65歳前から女性に多かった病気で65歳以降に性差が拡大したものは一つでした。
また、女性に多い病気の多くは、女性が65歳以降になると患者数が減り、そのために性差が縮小しています。その一方で、男性に多い病気の多くは、65歳以降、男女ともに患者数が増え、その結果、比率で表したときの性差が見掛け上、少なくなることも見てとれます。
なお、表中では、患者数が65歳以降に減っている場合は数値を緑色で、65歳以降に増えている場合は数値をオレンジ色で表示しています。
つまり、女性は加齢とともに、女性に多い病気は減り、男性に多い病気が増えるということです。こと、病気のなりやすさについては、女性は年をとると男性に近付いていくということが言えそうです。
男性のほうはどうかというと、もともと男性に多い病気は高齢になってもあまり減らないかむしろ増えるので、年をとると女性に近くなるということは言えそうにありません。言い換えると、男性に多い病気とは、男女を問わず加齢に伴って増える病気とイコールに近く、男性は女性よりも若いうちからそれらの病気が増えてくる傾向にあるということです。















